アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」の人気キャラクター「高槻やよい」が12日、大阪府高槻市観光協会の「たかつき観光大使」に任命された。市内には弥生時代の遺跡を整備し、昨年に全面開園した安満(あま)遺跡公園があり、市は今後、二つの「やよい」を押し出してPRにつなげる。
アイドルマスターはアイドル候補生をトップアイドルに育てるゲームで、2005年に登場した。高槻やよいは候補生の1人で、明るい性格をした6人きょうだいの長女の設定だ。海上自衛隊の護衛艦の名前にちなんで命名され、高槻市とは関係ないという。
それでも高槻市はその名にちなみ、高槻やよいファンから「聖地」とされてきた。3月25日の誕生日には、阪急高槻市駅近くの定食チェーン「やよい軒高槻店」にファンが行列をつくり、その最寄り有料駐車場には、アイドルマスターのキャラをプリントした自動車「痛車(いたしゃ)」がずらりと並ぶ。
市は人気に着目し、高槻やよいのオリジナルグッズをふるさと納税の返礼品に指定していたこともある。
高槻の観光関係者にとって高槻やよいの人気は周知の事実。観光協会が発売元のバンダイナムコエンターテインメントに打診し、観光大使に就任することになった。
就任にあたり、歴代の女性観光大使が着た前方後円墳をデザインしたワンピース姿に、高槻市マスコットキャラクター「はにたん」をあしらったポシェットを持った等身大パネルが作成された。安満遺跡公園で20日から展示する。
ほかにも、20日からは公園内の2飲食店で指定メニューを頼むとオリジナルコースターやランチョンマットがもらえる。また、「たかつき観光アプリ」で市内を巡るスタンプラリーをクリアすると、スマートフォン用のオリジナル壁紙をダウンロードできる。
12日にあった就任式で、観光協会の金田忠行代表理事は「名前の親和性があり、多くのみなさんが市に訪れてくれれば」と期待を込めた。
シリーズ総合プロデューサーの坂上陽三氏は、「高槻市を歩いてこんなに街中に遺跡があるのかと驚いた。ご当地グルメのうどんギョーザもインパクトがある」と市の印象を語った。観光大使就任については、「高槻やよいはコロナ禍で人々を勇気づけられる存在。大使になってより活躍できれば」と話した。(茶井祐輝)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル